パンのクラム 2015年3月5日号掲載

2015.03.9

クラムGDPは伸びたけど・・・

2014年10~12月期の国内総生産(GDP)が、年率2・2%増となった。プラス成長は3四半期ぶりで、消費増税後では初めてとなる。ただ円安により、車や電気通信機器は伸びたが、輸入原材料を使う加工食品は苦しい。

物価の上昇に賃金が追いつかず、実質的な所得が減って個人消費は低迷している。

そうした中で、山崎製パンの平成26年12月期の決算が発表された。増収増益の好決算で、売上高は9950億円。1兆円企業が射程距離となってきた。

日本パン公正取引協議会における消費税の転嫁カルテルにより、価格転嫁がスムースに行われたことや、「ヤマザキゴールド」シリーズ、「おいしい菓子パン」シリーズなどの高品質・高付加価値製品を、積極的に拡販したことが寄与したとみられる。

また「厳撰100選」などの売り上げ上位品の販売に集中し、アイテム数の適正化に取り組んだことで、生産、販売、物流の効率化を図れたことも増収増益につながった。

特に消費者の低価格志向に応えるため、ずっと押さえ込まれてきた食パン、菓子パンの販売単価が上昇したことが大きい。「新製品の開発に当たっても、それまで価格の壁を破れず、常に低価格が頭から離れずにいたのが、多少高くても価値を認めれば買ってくれる消費者が確実にいることが分かったことで、意識が変わった」という。(Y)

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