【パンのクラム】「10%の消費増税はあるのか」

2016.04.8

2016年3月25日号掲載「10%の消費増税はあるのか」

 来年4月の消費増税はあるのか。参議院選挙を控え、ここへ来て増税延期説がささやかれている。

 アベノミクスは失敗、と野党が言い始め、確かにGDPの速報をみても、景気が足踏み状態から抜け出せていないことを感じさせる。

 円安による輸入物価の上昇に賃上げが追いつかずに個人消費は低迷。地方の地盤沈下も続いている。消費者の買い控えが目立ってきて先行きへの不透明感が高まっている。

 日本銀行はマイナス金利政策に打って出たが、年初から進んだ円高、株安の動きに不安は募る。これが続けば、企業は設備投資や賃上げをためらい、消費者はお金を使わないという悪循環になりかねない。 政府は「日本経済は緩やかに回復している。今の状況は、中国経済の減速、原油安などが原因の一時的なもの」としているが果たしてどうか。

 これから春闘の賃上げ交渉、4月の日銀短観、5月のGDP速報をみながら状況を分析、対応することになる。 与党内からも消費税率10%引き上げを延期する声が聞こえ始めた。(Y)

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