【キラリ☆輝くベーカリー】ハート ブレッド アンティーク茂原店

2015.03.9

 ハート ブレッド アンティーク茂原店が昨年10月、千葉県茂原市のワンダーグー茂原店内にオープンした。運営するのは、ワンダーコーポレーション(日下孝明社長)。同社は、ゲームや音楽・映像ソフト、書籍などエンターエイメント商品を総合的に販売するワンダーグーを全国に展開している。「食を通じてお客様に喜んでもらいたい」と考え、ベーカリー事業への参入を決めたという。クラブ・アンティークとパートナーシップを提携し、ワンダーグー本体との相乗効果はもちろん、地域で末永く愛されるベーカリーを目指す。中島清秀店長に開店時の様子や今後の展開について話を聞いた。

中島清秀店長

中島清秀店長

 

 ハート ブレッド アンティーク茂原店は、JR茂原駅から徒歩15分ほど、駅から伸びる幹線道路沿いに近接するワンダーグー茂原店の一角に位置する。オープン直後には、行列が店の前に溢れるほどの混雑だったという。現在は少し落ち着き、混雑具合を見ながら、併設するCDや書籍の売場と合わせてうまく調整し来店するお客もいるそうだ。

 ワンダーコーポレーションは、ベーカリー事業を立ち上げるにあたり、「コンテンツの拡大を考えた際に、食を通じてお客様が喜んでもらえることが出来ないかと考えていた。その中でクラブ・アンティークを知り、実際に店舗を見て、商品のクオリティーの高さとともに、他のベーカリーには無いエンターテイメント性に衝撃を受けた。(同社の新たな展開として)可能性を感じた」と選定理由を語った。

 

 アンティーク出店以降、ワンダーグー茂原店全体の売上や客数については、前年を大きく上回っているという。CDや書籍、映像ソフトの販売など既存事業との相乗効果について、今後さらに検証を進めるとする。

 

正面にはテラス席も

正面にはテラス席も

 ハート ブレッド アンティーク茂原店の店舗面積は延べ約77坪。カフェスペースは、店内に54席を設置しているほか、屋外にテラス席20席を設けている。内外装など店舗の雰囲気は、メルヘンチックなアンティークの特徴を随所に生かしながら、ブラウンベースのシックで落ち着いた雰囲気にまとめている。

 

 動線をストレートにし、パン選びからレジまでスムーズな流れにしているほか、子ども向けに小さなトングやカゴを用意するなど、お客に合わせた細かい配慮も欠かさない。「使いやすいから」と子ども向けのトングを使用する高齢者のお客もいるという。

アンティークのイメージを生かしながらも落ち着いた店内

アンティークのイメージを生かしながらも落ち着いた店内

 客層は若い家族連れから年輩の人までさまざま。女性客が多いが、男性客も訪れる。メディアでも取り上げられたことから、近隣はもちろん、市外の広いエリアからもアンティークのパンを求め来店する人も多い。

 来店のピークは、昼と夕方。天気の良い日には、散歩の途中で来店し、テラス席でペットを連れて朝食を楽しむ人もいるという。

 近隣エリアに手頃なカフェが無かったこともあり、気軽にカフェを利用する人も多い。書籍を購入しカフェスペースで楽しむ人もいる。

 中島店長はベーカリー事業を始めるにあたり、カート ブレッド アンティーク銀座店で徹底した研修を行った。パン作りを集中的に習い、ベーカリーならではの販売方法なども学んだ。開店後、約4カ月が経った今も日々勉強だと語る。

 

 アイテム数は、パン類が50~60種類。焼菓子や冷蔵製品なども含めると全体で約80種類を揃えている。中でも菓子パンや総菜パンが充実しており、特に総菜パンは、出店時のリサーチを元に地域特性を考え、力を入れている。

 

のび~るとろりんチーズフランス

のび~るとろりんチーズフランス

 

 

 総菜パンの一番人気は、「のび~るとろりんチーズフランス」(390円)。

 フランスパンの生地でゴーダ、シュレット、モッツァレラの3種のチーズを包み、表面に粉末チーズをたっぷり付けてぱりっと焼き上げた。大きく十字に入れた切れ目からは、とろけたチーズがあふれ出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茂原塩パン

茂原塩パン

 「茂原塩パン」(70円)もリーズナブルで美味しいと評判だ。茂原店立ち上げ時に、クラブ・アンティークのスタッフが同店向けに開発した。バターの風味に加え、塩のシンプルな味わいが、生地本来の美味しさを引き立てている。

 

 

 

 

 

マジカルチョコリング

マジカルチョコリング

 アンティークブランドの看板商品「マジカルチョコリング」(545円)や、「太っちょ王様のあん食パン」(1斤390円)など、アンティークの定番商品も不動の人気を誇っている。「マジカルチョコリング」は、デニッシュ生地にオリジナルチョコチップとクルミを散りばめて、大きなリング状に焼き上げた。茂原店でも大人気で、自宅用のほか、手土産や差し入れに買っていく人も多いという。

 

 「あん食パン」は、ふわっと柔らかくもっちりとした食パンに、甘いあんこをたっぷり巻き込んで焼き上げた角型食パン。名古屋の喫茶店の定番として知られる小倉トーストの風味を手軽に味わえる。

 今後、アイテムを増やして行くことも検討していくとするが、「まずは今ある商品に磨きを掛け、安定的に作っていくことが一番」と中島店長は語る。「どうしたら一番良い状態のパンを提供できるか。日々の課題でありベーカリーにとって永遠の課題でもあると思う。そのためには、スタッフの教育も重要。研修やオープン時の技術指導で学んだことを生かしながら、しっかり取り組んでいきたい」。

 

 ハート ブレッド アンティーク茂原店について同社では、CDや書籍、映像ソフトなどの販売と相乗効果を高めることはもちろんだが、まずは一つひとつの商品の品質を向上し、地域で末永く利用されるベーカリーに育て上げることが大事だとする。その上で、まず茂原店で成功事例を作り、グループ全体としてさらに進化したパッケージをワンダーグーの既存店へ普及させていきたいと考えている。

 

 ▽千葉県茂原市木崎2272(ワンダーグー千葉茂原店内)、☎0475―36―2581、営業時間午前8時~午後9時、年中無休、ホームページ(http://www.heart-bread.com/

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